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秋の吟行会・俳句大会

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秋晴れに恵まれた11月4日(月)、恒例の羽黒芸術文化祭参加「羽黒吟社秋の吟行会・俳句大会」が開催されました。

今回は吟社会員9名に加え、山形から3名、酒田から3名の参加を頂き、総勢15名といつもより少し賑やかな会となりました。

始めに全員で重要文化財の「黄金堂」を訪ね、副住職さんおふたりの導きで「幸せ3年詣り」を行いました。黄金堂に入ったのが初めてという参加者も多く、羽黒修験独特の祈り、ありがたい仏像群、辰年にちなんだ珍しいお参りなど、魅力満載のお参りとなりました。副住職さんたちのお話に花が咲き、ここだけで吟行を終えた方もいらっしゃったようです。

  爽涼や阿吽の対峙仁王像 (富五郎)

  護摩木にも隈なく秋日黄金堂 (彰)

黄金堂のお参りの後は、その周辺での自由散策ということにしました。ほぼ100メートルほどの範囲に、「自坊小路」「馬走り小路」「的場小路」など由緒ある小路や、正善院、峰の薬師や福王子稲荷などの寺社、図司呂丸宅跡、旧羽黒第一小学校などがある上、裏小路にはそれぞれの冬支度をされている人たちの生活の様子も見られて、句材には事欠かなかったようです。

  路地裏の落葉日当たる方へ掃く (量光)

  冬支度ゆっくり進む裏小路 (彰)

吟行後には手向地域活動センターに戻って、多聞館で用意したお弁当を頂きましたが、ここにも「きのこご飯」という季語を仕込んでありました。

午後からは全員が吟行句五句を投句しての俳句大会です。

選者は「椅子」主催の三井量光先生と「「いではの会」主催の石井野洲子先生です。

それぞれ、特選二句、秀逸二句を選んでいただきました。

【三井量光先生選】

(特選) 手向路は神様日和小鳥来る (美恵)

     箒木を染めむ呂丸の屋敷跡 (正宏)

(秀逸) 干柿の食べ頃となる陽射かな (春子)

     秋寒や法話あちこちききもらす (廣)

【石井野洲子先生選】

 (特選) 手向路は神様日和小鳥来る (美恵)

     由来記に最澄の御名貴船菊 (正宏)

(秀逸) 秋蝶と連れ立ち月山遙拝す (量光)

     赤とんぼ微笑んでゐる地蔵尊 (春子)

次回吟行会は来春(6月を予定)です。

     

 

第66回「奥の細道」羽黒山全国俳句大会

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10月27日(日)、羽黒山門前の「いでは文化記念館」を会場に、「第66回『奥の細道』羽黒山全国俳句大会」本大会が開催されました。

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これに先立ち、26日(土)には「子どもの部」の選評と表彰が行われました。

選者の奥坂まや先生(「鷹」同人)抜井諒一先生(「群青」同人)がそれぞれ2000句の中から特選、秀逸、佳作に選んだ作品について、丁寧に選評してくださいました。会場に集まった受賞者の小中学生にとっては貴重な経験になったことと思います。

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本大会当日は天気にも恵まれ、午前中は開会行事に続いて、奥坂まや先生より「季語の源流」というテーマで記念講演をいただきました。俳句で用いられている季語が、万葉の和歌の語感、さらには縄文人の生活にも根ざしているという、大変興味深いご講演でした。

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午後からは兼題の部、席題の部それぞれの入選句について、奥坂先生と抜井先生から選評して頂き、表彰が行われました。

兼題の部、席題の部ともに、我が羽黒吟社から入選者を出すことができて、大変嬉しく思いました。

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また、昨年新設された「Zの部」にも今年初めて8名の投句がありました。また、一般の部の投句についても、総数は昨年より若干減少したものの、比較的若い世代からの投句が増えていて、今後の大会運営に明るい希望を抱かせてくれました。

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全国規模の俳句大会となると、その運営には物的にも人的にも多くの負担が必要となります。そのため、名のある俳句大会が中止になったとの話も聞こえてきます。
幸い、「『奥の細道』羽黒山全国俳句大会」は、その意義と価値を理解してくださる多くの皆様に支えられて、回を重ねております。

羽黒吟社としても、「俳句の聖地・出羽三山」にふさわしい俳句大会であり続けるように、微力ながら協力していきたいと思っております。

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今回の大会にご尽力いただきました関係者の皆様に感謝申し上げるとともに、今後も変わらぬご支援をお願い申し上げます。

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(写真提供:羽黒町観光協会)

 

【祝・羽黒吟社会員の入選句】

【兼題の部】

(奥坂まや先生選)

(秀逸) 月山や分蘖(ぶんけつ)太き青田風 (美恵)

 

【席題の部】

(奥坂まや先生選)

(秀逸) 夕暮れて頬を擦りし蜻蛉かな (明日香)

(佳作) ままごとの声弾ませてどんぐりこ (春子)

     とんぼ追ふ子に微笑みし遠月山 (弘幸)

(抜井諒一先生選)

(特選) 蜻蛉や杉の年輪浮き上がり (美恵)

(秀逸) 団栗のはかまを集む園児かな (幸子)

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ゆぽか作品展示

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「やまぶし温泉ゆぽか」において、羽黒吟社作品展示を開催しております。

色紙や短冊にたしなめた俳句作品をやまぶし温泉ゆぽかの展示スペースに8名30点ほど展示しております。

期間は5月17日(金)~6月17日(月)までです。

ゆぽかにおいでの際にはぜひ、ご覧ください。

秋の吟行会開催

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11月4日(土)、令和5年度羽黒芸術文化祭参加の羽黒吟社秋の吟行会が開催されました。

あいにくの雨模様でしたが、吟社会員の他、山形から3名も加わり、13名が参加しました。

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今回の吟行地は、庄内町余目地域。

休止中のJR南野駅~「舟つなぎのマツ」~「廻館のオオケヤキ」~「払田の地蔵の松」~亀の尾の里資料館を巡りました。

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払田の地蔵の松を訪ねていると、ちょうど通りかかった地元のガイドの方がこの松のやそばに建つ石造りの六面地蔵の由来について丁寧にお話ししてくださいました。何かの導きのような感じがしました。

句会会場の余目第四町づくりセンターで各々5句投句して洋風弁当の昼食をとり、午後から句会となりました。

選者は三井量光先生(椅子)と石井野洲子先生(いでは)で、それぞれ特選2句、秀逸2句、佳作3句を選んで頂きました。

(三井量光先生選)

【特選】

・滾(たぎ)る朱の全き秋の箒草 (美恵)

・老松に張られしワイヤー冬隣  (彰)

(石井野洲子先生選)

【特選】

・竜淵に潜む寒村無人駅     (正宏)

・舟つなぎ半身削がるる時雨松  (正宏)

和やかな中にも多くの学びのある句会となりました。

参加された皆様、ご苦労様でした。

※ 次回の吟行会は来春の予定です。

※ 羽黒吟社会員を随時募集しております。お気軽にお問い合わせください。

  (土岐:090-1495-5571)

【第65回「奥の細道」羽黒山全国俳句大会のご案内】

 【第65回「奥の細道」羽黒山全国俳句大会のご案内】

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第65回となる「『奥の細道』羽黒山全国俳句大会」が10月22日(日)に開催されます。

それに先立ち、兼題の部の投句を募集しております。

今大会では、従来の「一般の部」とは別に、高校生、大学生を対象とした「Zの部」が創設されました。若い感性にあふれた作品が集まることに期待しております。

また、従来通り、小学生(4年生以上)と中学生を対象とした「子供の部」も募集しています。

投句締め切りは 「一般の部」と「Zの部」が8月20日(日)必着、「子供の部」が8月25日(金)必着です。

その他の投句要綱については出羽三山神社のホームページをご覧ください。投句用紙もそちらからダウンロードできます。

多くの皆様の投句をお待ちしております。

出羽三山投句箱を設置しました

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6月8日〈金〉、出羽三山投句箱の設置作業を行いました。

これは羽黒町観光協会から羽黒吟社が受託している事業で、毎年この時期に出羽三山地域に投句箱を設置し、11月頃に取りまとめて選句・表彰しているものです。入選句は出羽三山神社の社報(新春号)にも掲載されます。

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今回は羽黒山頂(芭蕉像横)、随神門(参道側)、黄金堂(門の内側)、玉川寺(門の内側)の4カ所に設置しました。このほかに、月山8合目(管理小屋前)と湯殿山(参籠所入り口)にも設置されます。

松尾芭蕉が「奥の細道」の旅で訪れた俳句の聖地出羽三山で、多くの皆さんが俳句を作られ、投句してくださることを期待しております。

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令和5年第1回吟行会開催

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6月6日〈火〉、快晴の下、本年度第1回目の吟行句会を開催しました。

吟行地は酒田市の浜中地域と善寶寺、句会会場は出羽商工会本所をお借りしました。

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浜中ではメロンを栽培されている菅原さんに収穫を間近に控えたメロン農園などを案内していただきました。また、昔の映画「砂の女」の撮影が行われた浜中海岸周辺もご案内いただきました。

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また、善寶寺では広い境内を思い思いに巡りながら、木陰を選んでは作句していました。

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句会では選者に三井量光先生(「椅子」)、石井野洲子先生(いではの会主催)をお迎えし、ご指導いただきました。

 

【三井量光先生 選】

(特選)

飛行機雲真下はメロンまだ未熟 (野洲子)

夏空によぎる砲煙戦中派 (祥)

(秀逸)

薔薇咲きて窓全開の厨ごと (明日香)

カップメンジャンケンポンと梅雨に入る (辰美)

(佳作)

梅雨晴は大海原の余白かな (正宏)

尺蠖に五体投地の無信心 (祥)

擬宝珠の花使用禁止の手水鉢 (彰)

 

【石井野洲子先生 選】

(特選)

一点の染みも許さぬ花辛夷 (京子)

山門の五百羅漢に初夏の風 (京子)

(秀逸)

芍薬の豪奢に咲くや散るもまた (芳子)

霊峰に会釈をかわし端居かな (春子)

(佳作)

ひと巡りして堂裏に涼みけり (量光)

梅雨晴れは大海原の余白かな (正宏)

曝涼の一考の書を読んでをり (拙郎)

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第2回目の吟行句会は11月に羽黒芸術文化祭参加の俳句大会として開催する予定です。

(詳細は10月上旬にお知らせします)

第64回「奥の細道」羽黒山全国俳句大会開催

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10月29日(土)、30日(日)の両日、第64回「奥の細道」羽黒山全国俳句大会が開催されました。

羽黒吟社としては、羽黒地域内の小学校での俳句指導、兼題投句の校正、本大会の会場準備、披講などで協力させて頂きました。

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29日(土)は、選者の伊藤伊那男先生(「銀漢」)をお招きして、子供の部の選評と表彰が行われました。

全国の小中学校から寄せられた1681句から、選者の伊藤先生と今回は参加が叶わなかった対馬康子先生(「麦」・「天為」)が選ばれた入選句につき、伊藤先生が選評してくださいました。

羽黒吟社で俳句指導にうかがった羽黒小や広瀬小の児童の作品も入選句に入っていて、大変嬉しく感じております。

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30日(日)は、受付後「鳥渡る」「芋煮会」の席題での投句の後、伊藤伊那男先生に「奥の細道/芭蕉の謎・曽良の謎」の演題でご講演を頂きました。

様々な資料の積み重ねから芭蕉や曽良の出自を推定するお話は、これまでの芭蕉・曽良研究にはあまりみられなかった話ながら、説得力があり、興味深かったです。

午後からは兼題の部、席題の部の選評・表彰が行われ、羽黒吟社からも以下の方々が受賞されました。

[対馬康子先生選]

兼題の部

[特選]

金野市子  月山に一日辞儀して稲穂かな

[伊藤伊那男先生選]

席題の部

[特選] 

長南美恵  芋煮会泡を滾す落し蓋

今井辰美  分校のリヤカーも出て芋煮会

[佳作] 

陶山芳子  色鳥来夫の育む屋敷林

今井辰美  小鳥にも早口言葉あるらしき

吉住弘幸  鳥渡るなにもせぬまま日も暮れて

 〃    鳥渡る安らぎゐたり今日ひと日

安藤幸子  小鳥来る色よき実より啄めり

今年もコロナ禍のため、前夜句会は行われなかったものの、兼題の部には前回を上回る投句を頂きました。

歴史と伝統ある「奥の細道」羽黒山全国俳句大会を今後さらに盛り上げていくよう、羽黒吟社としても陰ながら協力していきたいと思います。

大会運営に尽力された関係者の皆様、ご苦労様でした。

       

羽黒庁舎市民ホール展示

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9月1日(木)から30日(金)まで、鶴岡市羽黒庁舎1階の市民ホールにおいて、羽黒吟社会員の作品展示が開催されています。

約40点ほどの作品が展示してあります。

庁舎にお出かけの際にはぜひ、お立ち寄りください。

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第64回「奥の細道」羽黒山全国俳句大会のご案内

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新型コロナウィルス感染症の影響で、一昨年、昨年と本大会が中止された「奥の細道 全国俳句大会」が、今年は10月30日(日)に開催される運びとなりました。今回で第64回目の開催となります。

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選者は、第62回大会からお願いしている伊藤伊那男先生(「銀漢」主宰)と対馬康子先生(「麦」会長・「天為」最高顧問)です。残念ながら、対馬先生には今回、羽黒山にお出でいただくことが叶わず、兼題の選句のみをお願いすることになります。

兼題の投句締め切りは、9月5日(月)です。

※新型コロナ感染症への配慮から、恒例の前夜句会は行いません。

本大会当日(10/30)は、8:30に席題が発表され、10:30に投句締め切りとなります。

また、子どもの部の投句は9月5日(月)締め切りで、本大会前日の10月29日(土)に選評、表彰が行われます。故金子兜太先生のご助言により始まった子どもの部ですが、本大会とは別立てで実施し、次世代の俳人の育成に努めていきたいと思っております。

多くの皆様によるご投句、本大会へのご参加をお待ちしております。

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